猛暑の停電が、いちばん危ない高齢者の熱中症を防ぐ備えと、電気なしで体を冷やす方法
地震や台風の備えは進んでも、案外わすれがちなのが「真夏の停電」じゃ。 近ごろの夏は災害級の暑さでな、そんな時にエアコンが止まったら——これは高齢者にとって、本当に命に関わるんじゃよ。 しかも困ったことに、年を取ると暑さそのものを感じにくくなる。「まだ大丈夫」と思っているうちに、手遅れになりやすい。 この記事では、なぜ高齢者が危ないのか、停電にそなえて何を用意するか、そして電気がなくても体を冷やす方法を紹介するぞ。
なぜ、高齢者の夏の停電は危ないのか
若い人と同じ部屋にいても、高齢者のほうが熱中症になりやすい。これには、はっきりした理由が3つあるんじゃ。
年を取ると、体の「暑い」「のどが渇いた」というセンサーが鈍くなる。本人は平気なつもりでも、体の中では熱がこもっている。だから「まだ大丈夫」があてにならんのじゃ
汗は、体を冷やすための大事なしくみ。その汗をかく力が弱くなり、体にたまった熱を外に逃がしにくくなる。体の水分も少なめで、脱水も起こりやすい
わしら世代に多いのがこれじゃ。倹約はよいことじゃが、命にはかえられん。「エアコンは、体を守る道具」と考えを切り替えてほしい。停電時はそのエアコンが使えん分、なおさら他の手が要る
つまり夏の停電は、一番弱いところ(高齢者)に、一番きつい条件(エアコンなしの猛暑)が重なる災害なんじゃ。だからこそ、備えがものを言う。
図解: 猛暑の停電にそなえる
全体をこの1枚に。印刷して、冷蔵庫や、離れて暮らす親の家にも貼っておくとええぞ。
停電に備えて用意するもの
停電はいつ起きるか分からん。夏が来る前に、この4つをそろえておくと安心じゃ。
停電するとエアコンも普通の扇風機も止まる。電池で動く小さな扇風機が一台あるだけで、風があるかないかは大違いじゃ。乾電池の予備も忘れずに
停電中はスマホが情報と連絡の命綱になる。普段から満充電にしておく。余裕があれば、扇風機や小型家電も動かせるポータブル電源があると、より心強いのう
冷凍庫で水や保冷剤を凍らせておく。停電の数時間は、冷蔵庫の保冷にも、体を冷やすのにも使える。凍らせたペットボトルは、溶けたら飲み水にもなる一石二鳥じゃ
汗をかくと、水だけでなく塩分も失われる。経口補水液を数本、塩あめや塩タブレットを常備。これは日常の熱中症対策にもそのまま役立つ、フェーズフリーな備えじゃ
電気なしで体を冷やす方法
停電でエアコンが止まっても、体を冷やす手はある。覚えておいてほしいのは「太い血管を冷やす」ということじゃ。
この3か所には太い血管が皮膚の近くを通っている。ここを保冷剤や凍らせたペットボトル(タオルで包んで)で冷やすと、冷えた血液が全身を回って、効率よく体温が下がるんじゃ。おでこを冷やすより、ずっと効く
濡らして固くしぼったタオルで体をふき、うちわであおぐ。水が蒸発するときに熱を奪うので、ただあおぐより涼しい。霧吹きで体に水を吹くのも同じ理屈じゃ
風の通り道をつくるため、向かい合う2か所の窓を開ける。同時に、日の当たる窓はすだれやカーテンで直射日光を遮る。「風は通し、日差しは遮る」がコツじゃ
水分はな、「のどが渇いてから」では遅いんじゃ。 高齢者は渇きを感じにくいからのう。時間を決めて、コップ1杯ずつ—— テレビのCMごと、くらいのつもりで、ちびちび飲むのがちょうどええ。
がまんせず、涼しい場所へ逃げる
一番大事なことを言うぞ。家で無理をしないことじゃ。停電が長引いて家の中が暑いなら、涼しい場所へ「避難」してよい。
停電が一部の地域だけなら、公民館・図書館・ショッピングモール・スーパーなど、冷房のきいた場所へ。自治体が「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」を開けることもある。無理に家で耐えないのが賢いんじゃ
のどが渇く前に、少しずつ。汗をかいたら塩分も。冷たい水がしみる方は、常温でもかまわん。とにかく「入れ続ける」ことが大事じゃ
これは子世代へのお願いじゃ。猛暑や停電のニュースの日は、「エアコンつけてる?水飲んでる?」の電話を一本。この一本が、我慢しがちな親の命を救うことがある。連絡のコツは安否確認の記事もどうぞ
こんなサインは、すぐ対応を
めまい・立ちくらみ・頭痛・吐き気・体のだるさ・大量の汗、または汗が出なくなる——これらは熱中症のサインじゃ。 すぐに涼しい場所へ移し、体を冷やして水分・塩分を。声かけへの反応が鈍い、意識がはっきりしない、水が飲めないときは、ためらわず119番じゃ。迷ったら、消防の「♯7119(救急安心センター)」に相談してもよい。
よくある質問
Q. 停電でエアコンが止まったら、まず何を?
A. 体を冷やすことと、水分・塩分をとることじゃ。首・わきの下・足の付け根を保冷剤や凍らせた水で冷やす。窓を開けて風を通し、濡れタオルとうちわであおぐ。つらければ、公民館など涼しい場所へ移るんじゃ。
Q. 高齢者の熱中症、どんなサインに注意?
A. めまい・頭痛・吐き気・だるさ・大量の汗、または逆に汗が出なくなる、はサインじゃ。高齢者は暑さや渇きを感じにくく、気づく前に悪化しやすい。反応が鈍い・意識がはっきりせんときは、迷わず119番を。
Q. 停電に備えて用意しておくものは?
A. 乾電池式の扇風機、満充電のモバイルバッテリー(できればポータブル電源)、保冷剤や凍らせた水、経口補水液・塩あめじゃ。凍らせた水は、冷蔵庫の保冷にも体冷やしにも使えて、溶けたら飲めるぞ。