台風がくる前日の15分チェックリスト
そと5分・なか5分・じょうほう5分 — 合言葉は「当日やらない、前日やる」
「台風が来るぞ」というニュースを見てから、みんなが同じ失敗をするんじゃ。 それは当日にやろうとすること。風が強くなってから雨戸を閉めに出て、転んでけがをする—— 毎年の台風で、こういう事故が必ず起きておる。 台風の備えはたった15分。ただし前日の明るいうちにやるのが絶対条件じゃ。 この記事のチェックリスト通りに動けば、それで十分じゃよ。
なぜ「前日」なのか
理由は2つある。1つは、風が強くなってからの屋外作業は命に関わるから。 台風での事故は、実は暴風の最中より「直前の作業中」に多いんじゃ。屋根、ベランダ、側溝——強風の中で見に行ってはいかん。
もう1つは、停電と断水はたいてい「夜」やってくるから。 暗くなってから懐中電灯を探し、水を汲もうとしても遅い。 明るくて、風もない前日のうちに仕込んでおく。これが備えの基本じゃよ。
わしの近所でも、風の中で物干し竿を押さえに出て転んだ人がおってな。 幸い軽いけがで済んだが、竿は買い直せても、体は買い直せん。 「もったいない」より「もう家に入る」じゃぞ。
15分チェックリスト(図解)
やることはこの3つの箱で全部じゃ。上から順に、「そと」だけは必ず明るいうちに済ませてくれ。
そと5分 — 飛ばされる物を無くす
台風の被害で一番多いのは、水でも風でもなく「飛んできた物」じゃ。 そして飛んでいく物の代表が、植木鉢・物干し竿・すだれ・ゴミ箱・自転車。 「うちのが飛んで、よそ様の窓を割る」ことも考えて、軽い物はぜんぶ家の中へ入れる。 入り切らない物は、倒して壁際に寄せ、まとめて縛っておくんじゃ。
あわせて雨どいと家の前の排水溝をひと目見ておく。落ち葉やゴミで詰まっておると、 水があふれて浸水の原因になる。ここまでやって5分。脚立に乗る作業や屋根の確認は、前日でも禁止じゃ。 気になる場所があれば、台風が去ってから業者に頼むこと。
なか5分 — 水と電気の仕込み
家の中の仕込みは「水」と「電気」の2本柱じゃ。
やかん・ポット・空きペットボトルに汲み置き。普段から備蓄水がある家は、置き場所を家族に伝えるだけでよい
断水時にトイレを流す水になる。※小さなお子さんがいる家は転落防止に浴室の戸締まりを
家族全員分。充電ケーブルの場所も確認
停電しても、冷やし込んであれば冷気が長持ちする。保冷剤も冷蔵室へ移動
「どこにしまったか」を探すのは、停電した後では遅い
じょうほう5分 — 逃げ方を決めておく
最後の5分は、体ではなく頭の備えじゃ。 まずハザードマップで自宅の色を確認する。川やがけの近くにお住まいなら、 「どの避難場所に、どの道で行くか」まで家族で口に出して確認しておく。
気象情報は、テレビ・ラジオに加えて気象庁の「キキクル(危険度分布)」が分かりやすい。 「キキクル」で検索すると、自宅周辺の危険度が地図の色で見られる。 スマホが苦手な方は、家族の誰が情報係になるかを決めておくとよいぞ。
離れて住む親がいる方へ — 前日の電話1本が効く
このチェックリストの中で、実は一番大事かもしれんのが「じょうほう」の最後の項目、離れて住む親への電話じゃ。 高齢者の台風事故の典型は「様子を見に外へ出る」こと。前日の夜に電話して、こう言うだけでいい—— 「明日は絶対に外に出ないでね。田んぼも屋根も、見に行かないでね」。
そのついでに、懐中電灯の場所と、スマホの充電と、雨戸を今日のうちに閉めることを一緒に確認すれば、 親の分の15分チェックが電話1本で終わる。 親の備えをもっとしっかり整えたい方は、一人暮らしの親に送る防災セットの記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. マンションの高層階でも台風の備えは必要?
A. 必要じゃ。高層階は風が強く、窓への飛来物リスクはむしろ高い。ベランダの片付けとカーテンを閉めることは必須。また停電するとエレベーターと水道(ポンプ式)が止まる建物が多いので、水の汲み置きはより重要になるぞ。
Q. 窓ガラスに養生テープを貼った方がいい?
A. テープでガラスが割れにくくなるわけではない。割れたときの飛び散りを多少抑える程度じゃ。それより効果が確実なのは雨戸・シャッターを閉めることと、カーテンを閉めて窓から離れて過ごすことじゃよ。
Q. 避難するかどうかは、何で判断すればいい?
A. 自治体が出す「警戒レベル」が基準じゃ。レベル3で高齢者や体の不自由な方は避難開始、レベル4で全員避難。「まだ大丈夫」と思ううちに、明るいうちに動くのが鉄則じゃ。わが家の備えの状態は備えレベル診断(全10問)で確認しておくと安心じゃよ。