コラム — 季節・時事の備え 公開: 2026/10/30

電気毛布・湯たんぽで低温やけど?高齢の親は「寝る前に切る・出す」【こたつ火事も】

寒くなると、親の布団に電気毛布や湯たんぽが入るようになる。こたつも出てくるころじゃな。 じゃが、やさしく温めてくれる道具でも、使い方しだいで低温やけどや火事になるんじゃ。 NITE(製品評価技術基盤機構)によると、44℃でも3〜4時間ふれ続けると、低温やけどになるといわれておる。 年をとると熱さを感じにくく、気づいたときには重いやけどということもある。 この記事では、高齢の親が冬の暖房を安全に使うコツを、国の資料をもとにまとめた。合言葉は「寝る前に切る・出す」じゃ。

図解: 冬の暖房 寝る前の3つの約束

親に伝えたいことを1枚にまとめた。電話で読み上げて、親と一緒に確かめてくれ。

冬の暖房 寝る前の3つの約束の図解。44℃でも3〜4時間ふれ続けると低温やけど。1、電気毛布は寝るときに切る。2、湯たんぽとあんかは布団から出す。3、こたつとストーブのまわりに燃える物を置かない。

結論:寝る前に切る・布団から出す・燃える物を離す

先に答えを言うぞ。冬の暖房で親に守ってほしいのは、この3つじゃ。

電気毛布は寝るときに切る

寝る前に布団を温めたら、眠るときはスイッチを切る

湯たんぽ・あんかは布団から出す

布団が温まったら、寝る前に布団の外へ出す

燃える物を離す

こたつやストーブに布団や洗濯物をくっつけない。寝るときと出かけるときはプラグを抜く

どれも、お金はかからん。寝る前のひと手間だけじゃ。

冬の夜の和室の寝室。白い靴下のそなえじぃが敷いた布団のそばにひざをつき、電気毛布の手元スイッチを切っている。布団の足もとで、ひなたちゃんが丸くなって見ている。
温まったら、眠る前に「パチン」。これがいちばん大事な約束じゃ。

なぜ高齢の親は低温やけどになりやすいのか

低温やけどは、熱いと感じないまま進むやけどじゃ。理由を3つに分けて話そう。

ぬるい温度でも、長い時間で深くなる

NITEの資料によると、温かいと感じる程度でも、同じところに長くふれていると皮膚の下が傷んでしまう。めやすは次のとおりじゃ。

  • 44℃なら3〜4時間
  • 46℃なら30分〜1時間
  • 50℃なら2〜3分

体の重みで押しつけられていると、もっと短い時間でなる。NITEは、44℃より低くても、ふれる時間によってはなるおそれがあるとも書いておる。眠っている間は、まさに同じところが長く押しつけられる時間なんじゃ。

年をとると、熱さに気づきにくい

消費者庁は、高齢の人は若い人にくらべて皮膚がうすく、感覚がにぶくなるため、やけどが重くなりやすいとしておる。糖尿病の人も感覚がにぶいことがあり、とくに気をつけるよう書いてある。

NITEの資料には、睡眠薬を飲んで深く眠り、気づかないうちに体がふれて低温やけどになった例ものっておる。

見た目より重いことがある

消費者庁によると、低温やけどはふつうのやけどより痛みが少なく、水ぶくれもできにくい。ぱっと見は軽そうなのに、皮膚の深いところまで傷んでいることがめずらしくないそうじゃ。

原因はどんな道具か

消費者庁が平成27年にまとめた資料では、65歳以上の低温やけどの事故情報は119件あった。原因の道具は次の順じゃった。

  • カイロ 28件
  • 湯たんぽ 19件
  • ストーブ類 18件
  • 電気毛布・あんか 12件

少し前の数字じゃが、身近な道具ばかりなのがわかるじゃろう。119件のうち10件は入院が必要じゃった。

2月がいちばん多い

NITEによると、電気マット・電気毛布・電気あんかの事故は2月に最も多い。湯たんぽの事故も、消費者庁の資料では12月から2月に多く起きておる。いまのうちに使い方を決めておけば、いちばん寒い時期に間に合うぞ。

電気毛布・電気マットの使い方

電気毛布は、親の冬の味方じゃ。そのぶん、使い方の約束を決めておこう。

電気毛布は「温めてから切る」

NITEは、電気毛布は寝る前に温めて、寝るときは低い目盛りに下げるなどして調節し、眠っている間はスイッチを切るよう呼びかけておる。

NITEの事例には、電気敷毛布を使って眠っている間に、ひざが長い時間ふれて重い低温やけどになった例がある。製品は正常に動いておった。こわれていなくても起きるのが、低温やけどのこわいところじゃ。

コードを傷めない

火事の心配もある。NITEの資料には、岩手県の80歳代の男性が使っていた電気毛布で、まわりが焼ける火事が起きた例がのっておる。コードの付け根に何度も力がかかって、中の線が切れ、火花が出たと考えられておる。

  • コードを無理に曲げない・引っ張らない
  • コードを本体に巻きつけない
  • 付け根がかたくなっていないか、こげていないかを見る

電気マットは布団の中に入れない

足もとを温める電気マットも気をつけたい。NITEは、電気マットを布団の中に入れて、寝るための暖房に使わないよう書いておる。

折り曲げたり、しわが寄ったまま使うのもいかん。中のヒーター線が傷んで、こげる事故が起きておるそうじゃ。ソファの上のようなやわらかい所に敷くのもよくないと書いてある。

冬の夜の居間。白い靴下のそなえじぃが座布団に座り、電気毛布の電源コードの付け根を両手で持って、こげや傷がないか目を近づけて見ている。そばでひなたちゃんがコードの先をのぞきこんでいる。
コードの付け根は、こげていないか、かたくなっていないか。シーズンのはじめに見ておくんじゃ。

湯たんぽ・電気あんか・カイロの使い方

足もとを温める道具は、体にくっつきやすいのが落とし穴じゃ。

湯たんぽは「布団を温めたら出す」

消費者庁は、湯たんぽは寝る前に布団を温めるために使い、温まったら布団から出して寝るよう呼びかけておる。

「カバーを2枚かければ大丈夫」と思うかもしれん。じゃが、NITEの資料には、湯たんぽを袋で二重に包んで足もとに置いて寝たら、ふくらはぎに低温やけどを負った例がのっておる。包んでも、長くふれればやけどになるんじゃ。

湯たんぽは使う前に割れを見る

消費者庁の資料では、5年間で湯たんぽの事故は108件。そのうちやけどが68件で、治るまで1か月以上かかった重いものが31件あった。いちばん多かったのは、湯たんぽの破損・破裂・ふくらみによる事故じゃ。

  • 使う前に、ひびや割れがないか見る
  • 電子レンジで温める物は、説明書の時間を守る
  • 充電して温める物は、説明書どおりに充電する

電気あんかは「切って、出す」

電気あんかは、電気が入っている間はずっと温かいままじゃ。NITEは、寝る前に布団を温めたら、寝るときはスイッチを切り、布団から出すよう呼びかけておる。厚手のタオルで包んでも、低温やけどのおそれがあるそうじゃ。

NITEの事例には、あんかを「強」にして足にふれないよう置いたのに、目が覚めたらふくらはぎの下にあったという話もある。寝ている間に、体は思ったより動くんじゃな。

カイロは寝るときに使わない

カイロは、高齢の人の低温やけどの原因でいちばん多かった道具じゃ。NITEは次のように呼びかけておる。

  • 寝るときには使わない
  • 肌に直接あてない。貼るカイロは下着の上から
  • 同じところに長い時間あてない
  • こたつの中や暖房器具の近くで使わない

消費者庁の資料には、70歳代の男性が腰にカイロを貼り、電気毛布を付けたまま寝て、朝はがすとやけどになっていた例がある。重ねて使うのは、とくに危ないんじゃ。

冬の夜の和室の寝室。白い靴下のそなえじぃが温まった布団をめくり、中から布のカバーに入った湯たんぽを両手で取り出している。布団のはしで、ひなたちゃんが湯たんぽを目で追っている。
布団が温まったら、湯たんぽは外へ。抱いたまま眠るのは、やめておこう。

こたつ・電気ストーブの火事を防ぐ

火を使わない暖房は、安全に見える。じゃが、火が出ない=燃えないではないんじゃ。

NITEによると、2017年度から2021年度の5年間に、こたつと電気ストーブの事故は347件。そのうち26件は死亡事故じゃった。NITEは、火事の起き方を2つに分けて注意を呼びかけておる。

ゼロ距離火災

布団や洗濯物などの燃えやすい物が、ヒーターにふれて燃える

ほったらかし火災

電源を切らずに離れたり、コードの異常をそのままにしたりして燃える

こたつで気をつけること

NITEは、こたつの中に布団を押し込んでヒーターにふれ、燃えた事故を映像で紹介しておる。こたつで洗濯物を乾かすのも危ないそうじゃ。

ぬれた靴下やタオルを、こたつの中に入れて乾かす人はおらんかの。NITEの映像では、洗濯物を乾かそうとしてヒーターにふれ、燃え出すようすが紹介されておる。こたつは、足を温めるためだけに使うんじゃ。

  • こたつ布団や座布団を中に押し込まない
  • 中で衣類やタオルを乾かさない
  • 寝るときと出かけるときは、電源プラグを抜く
  • ときどきほこりを掃除する

ストーブはまわりを空ける

NITEによると、2020年から2024年の5年間に通知された暖房器具の事故は596件。そのうち約8割が、電気と石油のストーブ・ファンヒーターじゃった。NITEは、暖房器具と壁や燃えやすい物との距離をしっかり取り、洗濯物は乾かさないよう呼びかけておる。

寝床の近くにストーブを置く親もおる。布団がずれてストーブにふれることもあるから、寝る前は消してもらおう。

冬の午後の居間。白い靴下のそなえじぃが、こたつのそばにしゃがんで、壁のコンセントから電源プラグを抜いている。こたつ布団はきれいに外側に広がっている。こたつ布団の上で、ひなたちゃんがのびをしている。
出かけるときと寝るときは、プラグを抜く。ほったらかしにせんことじゃ。

使う前の点検とリコールの確認

しまっておいた暖房器具は、出したときに点検じゃ。NITEは、電気の暖房器具について次の点を確かめるよう呼びかけておる。

  • 電源コードやプラグに傷やこげがないか
  • ストーブの転倒時オフ機能(たおれたら止まるしくみ)が働くか
  • ほこりがたまっていないか
  • リコール対象になっていないか

リコールの調べ方

古い暖房器具は、リコールになっていることがある。消費者庁の資料には、リコール対象の湯たんぽを使っていてやけどを負った例ものっておる。

調べるときは、消費者庁の「リコール情報サイト」や、NITEの「NITE SAFE-Lite」が使える。親にメーカー名と型番を読み上げてもらえば、家族がスマホで調べられるぞ。型番は、本体の裏や底のシールに書いてあることが多い。

買いかえるときのめやす

コードがかたい、ときどき切れる、こげくさい。そんなときは、使うのをやめて買いかえを考えてくれ。どこのメーカーの物がよいかは、ここでは決めん。親が使い慣れた形で、説明書どおりに使える物がいちばんじゃ。

冬の居間。白い靴下のそなえじぃが低い木のテーブルにつき、小型の電気ストーブ(電源は切れている)を横にして、底のシールを老眼鏡ごしにのぞきこみ、手元のメモ帳に何か書いている。テーブルのはしで、ひなたちゃんがメモ帳を見ている。
型番を控えて、リコールになっていないか確かめる。家族がスマホで調べてもよいんじゃ。

離れて暮らす親のためにできること

親の家の寝室は、家族からは見えん。電話で聞けることを並べておこう。

  • 冬に使う暖房は何か。電気毛布、湯たんぽ、あんか、カイロ、こたつ、ストーブ
  • 電気毛布は寝るときに切っているか
  • 湯たんぽやあんかは朝まで布団に入れていないか
  • カイロを貼ったまま寝ていないか
  • こたつやストーブのまわりに洗濯物や布団がないか
  • 睡眠薬を飲んでいるか。手足のしびれはないか

「タイマー付き」も一つの手

切り忘れが心配なら、自動で切れるタイマーの付いた電気毛布やあんかもある。ただ、タイマーが付いていても、体にふれ続ければ低温やけどはありうる。「温めたら切る・出す」の約束は、そのまま守ってもらおう。

寝る前の流れを紙に書いて貼る

約束は、口で言うだけだと忘れてしまう。寝室の目につくところに、寝る前の流れを大きな字で書いて貼っておこう。

  • 布団が温まったら、電気毛布のスイッチを切る
  • 湯たんぽとあんかを布団の外に出す
  • カイロをはがす。こたつとストーブのプラグを抜く

毎晩くり返せば、体が覚えてくれる。貼り紙は、帰省したときに親と一緒に作るとよいぞ。

介護が必要な親なら

自分で体を動かしにくい親もおる。消費者庁は、介護が必要な人が湯たんぽを使うときは、家族や介護者がときどき湯たんぽの位置を変えるよう呼びかけておる。ヘルパーさんやケアマネジャーにも、冬の暖房の使い方を伝えておくと安心じゃ。

年末の帰省で、寝室を見る

帰省したら、親の寝室を一度のぞいてくれ。布団の中のあんか、枕もとのストーブ、まくらのそばのカイロ。電話ではわからんことが、目で見るとすぐわかる。冬の停電で暖房が止まったときのことは、冬の停電で暖房が止まったら?にまとめておる。

冬の夕方の居間。白い靴下のそなえじぃがこたつに入り、携帯電話を耳に当てて、もう片方の手の指を3本立てて笑顔で話している。こたつの上でひなたちゃんが丸くなって、そなえじぃを見上げている。
「切る・出す・離す」の3つを、電話でひとつずつ確かめるんじゃ。

低温やけどかも、と思ったら

朝起きたら、足に赤いあとがある。ひりひりする。そんなときは、軽く見てはいかん。

消費者庁は、低温やけどは見た目より重いことがあるため、皮膚の色が変わったり、痛みや違和感があったりしたら、自分で判断せず医療機関(皮膚科など)を受診するよう呼びかけておる。

そなえじぃ

「痛くないから大丈夫」は、低温やけどでは通用せん。赤いあとを見つけたら、早めに皮膚科じゃ。親が遠慮するなら、家族から背中を押してやってくれ。

同じ道具で、また同じことが起きないように、何を使ってそうなったかも聞いておこう。使い方を変えるか、道具を変えるか、家族で話し合うきっかけになる。

間違えやすい3つ

ぬるいから一晩中でも平気

44℃でも3〜4時間で低温やけどになるといわれておる。温度よりふれている時間がこわい

タオルで包めば大丈夫

NITEによると、厚手のタオルやカバーで包んでも、低温やけどのおそれがある

火を使わないから火事にならない

こたつと電気ストーブの事故は5年間で347件、うち26件が死亡事故じゃった

やらなくていいこと・やってはいけないこと

暖房をがまんしてほしいわけではない。冬の寒さも、体にはよくないからな。やらなくていいことと、やってはいけないことを分けておこう。

暖房をやめなくていい

使うのをやめるより、寝る前に切る・出すを守るほうが大事じゃ

全部を新しく買いかえなくていい

まずは点検とリコールの確認。傷んでいる物だけ考えればよい

カイロと電気毛布を重ねて寝てはいけない

重ねて温めたまま眠るのがいちばん危ない

もうひとつ、コードが傷んだ電気毛布をテープで直して使い続けるのもやめておこう。傷んだ物は、使うのをやめるのが安全じゃ。

そなえじぃ

冬の暖房は、親の体を守る大事な道具じゃ。こわがらずに、約束を決めて使えばよいんじゃよ。

今日できる3つのこと

最後に、今日すぐできることを3つだけ。電話1本で始められるぞ。

冬に使う暖房を聞く

電気毛布、湯たんぽ、あんか、カイロ、こたつ、ストーブ。何を使うかを聞いておく

「寝る前に切る・出す」を約束する

電気毛布は切る。湯たんぽとあんかは布団から出す。カイロは寝るときは使わない

型番を聞いてリコールを調べる

古い暖房器具のメーカー名と型番を読んでもらい、家族が調べる

よくある質問

Q. 電気毛布はつけたまま寝てもいい?

A. NITEは、電気毛布は寝る前に温めて、寝るときは低い目盛りに下げるなどして調節し、眠っている間はスイッチを切るよう呼びかけておる。体の同じところが長くふれると、低温やけどになるおそれがあるからじゃ。

Q. 湯たんぽをタオルで包めば、朝まで入れていても大丈夫?

A. 包んでも、長い時間ふれれば低温やけどになるおそれがある。消費者庁は、湯たんぽは寝る前に布団を温めるために使い、温まったら布団から出して寝るよう呼びかけておる。

Q. 低温やけどは何度くらいでなるの?

A. NITEの資料によると、44℃で3〜4時間、46℃で30分〜1時間、50℃で2〜3分ふれ続けると、低温やけどになるといわれておる。押しつけられていると、もっと短い時間でなる。

Q. こたつで火事になることはある?

A. ある。NITEによると、2017年度から2021年度の5年間に、こたつと電気ストーブの事故は347件、そのうち26件が死亡事故じゃった。中に布団を押し込まない、衣類を乾かさない、寝るときと出かけるときはプラグを抜く、が大事じゃ。

  • NITE(製品評価技術基盤機構)「製品安全情報マガジン Vol.493 電気マット、電気毛布、電気あんかの事故」(2026年1月27日)
  • NITE「就寝時の“足元”暖房にご用心!~電気あんか、カイロ、電気マットの取扱いに注意~」(2025年1月14日)
  • NITE「ストーブとの程よい距離感が大切です~「電気」「石油」暖房器具の事故を防ぐ4+1のポイント~」(2025年10月30日)
  • NITE「冬の火災は『ゼロ距離』と『ほったらかし』に注意!~電気暖房器具は使う前に点検も!~」(2022年11月24日)
  • 消費者庁「ゆたんぽを安全に正しく使用しましょう!」(令和2年12月16日)
  • 消費者庁「高齢者のやけど事故に注意しましょう」(平成27年11月18日)

本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。事故の件数は各資料の集計期間のものです。暖房器具の使い方は、製品ごとの取扱説明書に従ってください。やけどが疑われるときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。