感震ブレーカーとは?親の家に合う選び方と付け方【地震火災の約6割は電気】
大きな地震のあとに起きる火事。その原因の多くが電気だと知っておったか。 内閣府の資料では、阪神・淡路大震災の地震火災139件のうち、電気による火災が85件、約6割じゃった。 親が留守のときや、あわててブレーカーを落とせずに逃げたときでも、揺れを感じて電気を止めてくれるのが感震ブレーカーじゃ。 ところが首都圏の調べでは、付けている家は約2割しかない。 この記事では、親の家に合う感震ブレーカーの選び方と、付けるときの注意を、内閣府の資料をもとにまとめた。
図解: 親の家の感震ブレーカー 3つの確認
親の家で確かめることを1枚にまとめた。電話で読み上げて、一緒に見ていってくれ。
結論:付いているか見る・家に合う型を選ぶ・明かりを用意する
先に答えじゃ。親の家の感震ブレーカーで考えることは、この3つじゃよ。
分電盤に感震ブレーカーがもう付いていないか、まず確かめる
持ち家か、止めてはいけない医療機器があるかで、合うタイプが変わる
電気が止まっても困らないよう、足元灯と懐中電灯をそろえる
むずかしい工事が要らないタイプもある。まずは分電盤を見るところから始めよう。
なぜ地震の火事は電気から起きるのか
地震の火事というと、ガスや石油ストーブを思いうかべるかもしれん。じゃが、近年の大地震では電気が原因の火事が多いんじゃ。
大地震の火事の半分以上が電気
内閣府の資料によると、地震火災のうち電気による火災は次のとおりじゃった。
- 阪神・淡路大震災(平成7年):139件のうち85件、約6割
- 東日本大震災(平成23年):108件のうち58件、5割強
火事が起きる2つの場面
内閣府のチラシは、電気の火事が起きる場面を2つ挙げておる。
揺れで電気ストーブのスイッチが入り、そこに洗濯物がかぶさって火がつく
揺れで半分抜けたプラグから火花が出て、まわりのほこりなどに火がつく
どちらも、人がその場にいないか、ほかのことに追われて気づけないときに起きる。避難所にいる間に、留守の家で火が出ることもあるんじゃ。
付けるだけで、燃える家が大きく減る
首都直下地震の被害想定(内閣府、令和7年)では、冬の夕方、風速8mの条件で、火事で燃える建物を約26.8万棟と見込んでおる。これは、感震ブレーカーなどの設置率が今の約2割のときの数字じゃ。
もし設置率が100%になれば、燃える建物は約7.4万棟。72%減ると試算されておる。一軒一軒の備えが、町全体を守るんじゃな。
付けている家はまだ少ない
内閣府が令和6年に首都圏などの戸建て住宅を調べたところ、木造の家が密集した危険密集地域以外で、感震ブレーカーを付けている家は20.3%。危険密集地域でも30.5%じゃった。
付けようと思わない理由でいちばん多かったのは、「感震ブレーカーのことをよく知らないから」で43.5%。知れば付けたくなる道具なんじゃ。
感震ブレーカーとはどんな物か
内閣府のチラシによると、感震ブレーカーは、震度5強相当以上の揺れを感じたときに、ブレーカーやコンセントの電気を自動で止める器具じゃ。作動する震度や、止まるまでの時間を変えられる型もある。
分電盤に付いているアンペアブレーカーや漏電ブレーカーとは別の物じゃ。「うちはブレーカーがあるから大丈夫」とはならんので、気をつけてくれ。
よいところは2つ
- 留守のときや、ブレーカーを落とす余裕がないときでも、電気の火事を防げる
- 電気が止まっているので、家電やコードの安全を確かめてから電気を戻せる
付けるよう決められている地域もある
電気工事の決まりごとである「内線規程」では、自治体が指定した危険な地域と、防火地域・準防火地域の住宅では、分電盤タイプの感震ブレーカーを付けることが勧告的事項になっておる。それ以外の住宅でも推奨的事項じゃ。つまり、どの家にもすすめられているということじゃな。
3つのタイプと、費用のめやす
感震ブレーカーには、大きく分けて3つのタイプがある。内閣府のチラシ(平成31年作成)にある費用のめやすと一緒に見ていこう。
分電盤のセンサーが揺れを感じ、家じゅうの電気を止める。電気工事が必要。内蔵型は約5〜8万円、後付け型は約2万円
コンセントのセンサーが揺れを感じ、つないだ家電だけ電気を止める。差し込むだけの物は工事不要。約5千円〜2万円
おもりの落下やばねの力でブレーカーを落とす。工事不要で、ホームセンターなどで買える。約2〜4千円
費用は少し前のめやすで、今の値段は製品によってちがう。買う前に、いくつか見くらべてくれ。
分電盤タイプは3分待ってから止まる
内閣府のチラシによると、分電盤タイプは揺れを感じると3分間、警報が鳴り、そのあとで電気を止める。その3分の間に、明かりをつけたまま逃げ道を確かめられるのがよいところじゃ。
簡易タイプは、すぐに止まる
簡易タイプは、揺れを感じるとすぐに家じゅうの電気が止まる。夜なら、家の中が真っ暗になる。だから、明かりの備えとセットで考えるんじゃ。
コンセントタイプは、つないだ家電だけが止まるので、部屋の明かりは消えん。そのかわり、付けていないコンセントや壁の中の配線からの火事は防げん、と内閣府のガイドラインにある。どれも一長一短なんじゃな。
親の家に合うタイプの選び方
内閣府は、どのタイプが合うかを順番に考える流れ図を出しておる。親の家にあてはめてみよう。
1. もう付いていないか見る
新しい家だと、分電盤にはじめから感震機能が付いていることがある。分電盤は玄関、廊下、洗面所、台所などにあることが多い。付いていたら、取扱説明書を見て、動くか確かめるのが次の一歩じゃ。
2. 電気を止めてはいけない機器があるか
親が在宅酸素などの医療機器を使っていて、急に電気が止まると命にかかわる。そんなときは、内閣府の流れ図ではコンセントタイプになる。つないだ家電だけを止めるので、医療機器の電気は止まらんのじゃ。
3. 分電盤を替えられるか
医療機器がなく、持ち家で分電盤を替えたり、機能を足したりできるなら、分電盤タイプ。信頼できる工務店やメーカーに相談するよう、内閣府はすすめておる。
賃貸に住んでいる、分電盤タイプは高くて手が出ない。そんなときは、簡易タイプかコンセントタイプも考えてみよう、と内閣府のチラシにある。賃貸なら、取り付ける前に大家さんや管理会社に聞いておくと安心じゃ。
簡易タイプは「合うかどうか」を確かめる
内閣府のガイドラインは、簡易タイプは自分で付けるぶん、付け方に注意が要るとしておる。
- 分電盤に付けられる場所があるか。ふたが邪魔で付けにくいこともある
- ブレーカーによっては、レバーを落とす力が足りないことがある
- テープで固定する型は、はがれていないか、ときどき確かめて交換する
選ぶときは、日本消防設備安全センターの推奨品を目安にするよう、内閣府のチラシに書いてある。説明書どおりに付けて、動くか確かめておくのがよいぞ。
付ける前に用意したい「明かり」と「電源」
感震ブレーカーは、電気を止める道具じゃ。じゃから、電気が止まっても困らない備えと一緒に考えてくれ。内閣府は次のことを呼びかけておる。
- 夜にそなえて、停電すると自動でつく足元灯や懐中電灯を置く
- 命にかかわる医療機器を使っているなら、停電に対応できるバッテリーを用意する
- 逃げ道を守るため、家具の転倒防止や耐震化もあわせて進める
- 蓄電池のある家は、感震ブレーカーが作動しても電気が流れる仕様のことがある。業者に確かめる
寝室と廊下に、明かりを置く
内閣府の停電対策のパンフレットは、夜の地震では、出口がわからない、段差やガラスの破片が見えないなど、とても危ないと書いておる。寝室や居間に懐中電灯や足元灯を置き、足元灯が付けにくい階段には光るテープもよいそうじゃ。
ガイドラインには、割れたガラスでけがをしないようスリッパを用意しておくことも書いてある。家具の固定は、家具の固定、賃貸でもできる方法にまとめておる。
ラジオも一緒に
停電すると、テレビは見られん。熊本地震では、停電が最大で約48万戸にのぼったと、内閣府のパンフレットにある。ラジオと予備の電池も、枕もとの近くに置いておこう。
止まったあと、電気を戻すときの手順
感震ブレーカーが働いたあと、すぐに電気を戻してはいかん。内閣府の「取扱いの留意点」にある手順を、順番に書いておく。
- ガスのにおいがしたら、まず換気して、ガス会社に連絡する
- ストーブや電球のまわりに燃えやすい物がないか確かめる
- すぐ使わないアイロンやドライヤーなどのプラグを抜く
- 家電やコンセントに水がかかっていないか確かめる
- そのあとで、感震ブレーカーを元に戻す(戻し方は製品の説明書を見る)
電気を戻したあとも、しばらくは様子を見る。壁の中の配線の傷みは、見た目ではわからんこともある。こげくさいにおいがしたら、すぐにブレーカーを落として、もう一度点検するんじゃ。原因がわからなければ、電気を使うのはやめておこう。
また出かけるときは、ブレーカーを落とす
内閣府の資料は、帰宅して電気を戻しても、短い時間でまた避難や外出をするなら、異変に気づけないかもしれないので、ブレーカーを落として家を離れるべきだとしておる。地震の直後に気をつけることは、地震が起きた直後の30分でやること・やってはいけないことにも書いておる。
補助金がある地域もある
感震ブレーカーには、自治体が費用を補助している地域がある。内閣府のチラシにも、補助をしている自治体があるので、住んでいる自治体のホームページを確かめるよう書いてある。
内閣府は、都道府県・市区町村の支援制度の一覧(令和6年度)もまとめておる。令和8年1月の内閣府の資料では、国も、木造住宅が密集した地域の自治体が感震ブレーカーの購入や取り付けを支援するときに、その費用を後押しするしくみを始めたとしておる。
たとえば横浜市は、感震ブレーカーの補助の窓口として、専用のコールセンターを設けておると、内閣府の資料(令和8年1月時点)にのっておる。親の住む町にも、こうした窓口があるかもしれん。
補助は、対象の地域や家、申し込みの時期が決まっていることが多い。買う前に確かめるのがコツじゃ。
離れて暮らす親のためにできること
親の家の分電盤は、ふだん見ない場所にある。電話で聞けることを並べておこう。
- 分電盤はどこにあるか。玄関、廊下、洗面所、台所のどこか
- 分電盤のふたを開けた写真をスマホで送ってもらう
- 家は持ち家か、賃貸か
- 在宅酸素など、電気が止まると困る医療機器を使っているか
- 寝室に懐中電灯や足元灯があるか
- 電気ストーブのまわりに洗濯物を干していないか
写真があれば、家族が調べられる
分電盤の写真があれば、感震機能が付いているか、簡易タイプが付けられそうかを家族が調べやすい。わからなければ、写真を持って電気工事店に相談してもよい。
年末の帰省で、一緒に付ける
簡易タイプやコンセントタイプなら、帰省のときに家族で付けられる。分電盤は高い所にあることが多いから、親にひとりで台に乗らせないことじゃ。ガイドラインも、分電盤を操作しやすいよう安定した台を用意しておくことをすすめておる。
家に来た人に「感震ブレーカーを付けないとだめ」と言われても、その場で決めなくてよい。補助の有無を自治体に聞き、家族と相談してからじゃよ。
間違えやすい3つ
感震ブレーカーは、アンペアブレーカーや漏電ブレーカーとは別の物じゃ
停電は、感震ブレーカーがなくても起きる。足元灯と懐中電灯を備えれば心配は減る
ガスのにおい、燃えやすい物、プラグ、水ぬれを確かめてから戻す
やらなくていいこと・やってはいけないこと
いきなり全部をそろえなくてよい。やらなくていいことと、やってはいけないことを書いておく。
高くて手が出ないなら、簡易タイプやコンセントタイプから始めてよい
コンセントタイプは、電気ストーブなど火事になりやすい家電のところから
在宅の医療機器がある家は、コンセントタイプやバッテリーで、医療機器の電気を守る
もうひとつ。簡易タイプを付けっぱなしで何年も放っておかないこと。テープの劣化で誤作動することがある。年に一度は固定を確かめるくらいの気持ちでいてくれ。
感震ブレーカーは、家にだれもいないときに働く道具じゃ。親が避難所にいる間も、家を守ってくれるんじゃよ。
今日できる3つのこと
最後に、今日すぐできることを3つだけ。電話1本で始められるぞ。
ふたを開けた写真で、感震機能が付いているかを家族が見る
この2つで、合うタイプがほぼ決まる
親の住む市区町村の名前と「感震ブレーカー 補助」で、買う前に調べる
よくある質問
Q. 感震ブレーカーとは何?
A. 内閣府によると、震度5強相当以上の揺れを感じたときに、ブレーカーやコンセントの電気を自動で止める器具じゃ。留守のときや、ブレーカーを落とす余裕がないときでも、電気による火事を防げる。
Q. 感震ブレーカーの費用はいくら?
A. 内閣府のチラシ(平成31年作成)のめやすでは、分電盤タイプの内蔵型が約5〜8万円、後付け型が約2万円、コンセントタイプが約5千円〜2万円、簡易タイプが約2〜4千円じゃ。今の値段は製品によってちがうし、自治体の補助がある地域もある。
Q. 賃貸の家でも付けられる?
A. 付けられるタイプがある。内閣府の流れ図では、分電盤を替えられない場合は簡易タイプかコンセントタイプを考えるとしておる。どちらも工事不要の物がある。賃貸なら、念のため大家さんや管理会社に聞いておくと安心じゃ。
Q. 感震ブレーカーが働いたあと、どうやって電気を戻す?
A. 内閣府によると、まずガスのにおいがないか確かめ、ストーブのまわりの燃えやすい物、すぐ使わない家電のプラグ、水ぬれを確かめてから、感震ブレーカーを戻す。戻したあとにこげくさいにおいがしたら、すぐにブレーカーを落とすんじゃ。
出典
- 内閣府(防災担当)「感震ブレーカーの普及促進」
- 内閣府「感震ブレーカー等の選び方」(チラシ、令和8年3月作成)
- 内閣府「地震火災の原因と感震ブレーカー等による対策」(チラシ、平成31年4月作成)
- 内閣府「感震ブレーカーの設置促進に向けた取組の強化」(令和8年1月)
- 内閣府「感震ブレーカーの取扱いの留意点」
- 内閣府「大規模地震に備えるための家庭での停電対策について」(パンフレット)
- 内閣府「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」(平成27年2月)
- 内閣府「令和6年度 首都圏の住宅における感震ブレーカーの普及状況等に関する調査報告書」
- 内閣府 首都直下地震対策検討ワーキンググループ「説明資料」(令和7年12月)
- 内閣府「都道府県・市区町村における感震ブレーカーの支援制度一覧(令和6年度)」
本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。費用は内閣府のチラシ(平成31年作成)のめやすで、実際の価格は製品や工事内容によって異なります。補助制度の有無や条件は自治体ごとに異なりますので、お住まいの自治体にご確認ください。取り付けや復帰の方法は、製品ごとの取扱説明書に従ってください。